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0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『スナイパー/狙撃』




ラッセル・マルケイ『スナイパー/狙撃』、

建設中のハイテクビルに、コンピューターの修理人を装ったドルフ・ラングレンとジーナ・ベルマンの男女が潜入する。

ラングレンは世界各地で暗殺を行う凄腕スナイパーで、ジーナはその監視役だった。

二人には過去に因縁があり、また組むことになったジーナは過去を反芻しながら困惑する。

二人のミッションは、翌朝に、ビル前のフリーウェイを走る予定の、黒塗りの高級車を狙撃することだった。

だがビルには2人の警備員がおり、一人は好色な男で、エレベーター内でジーナと二人きりになると襲いかかる。





ドルフ・ラングレンのスナイパー映画。

今から20年以上前の映画だが、ドルフ・ラングレン主演作は今も似たようなアクション映画が多く、思えばラングレンも随分長いことB級スターをやってるなと思う。

相手役のジーナ・ベルマンは今ではだいぶオバさんになったが、この頃はかなりの美人女優である。

ただ、二人の過去の仕事の話と現在の狙撃の話を交互に見せる語り方がまどろっこしくて、ちっともテンポよく進んでいかない映画である。

ラッセル・マルケイは大した題材じゃない映画でも、テンポよくスタイリッシュに描き、明快かつ手堅くまとめるところが美点なのに、この映画は語り方の不味さゆえに全くテンポが悪い上にわかりにくく、スタイリッシュさもなく、ただもたついた映画になってしまっている。

おまけにラングレンのスナイパーも妙にもたついた奴で、ジーナ・ベルマンも威勢のいい態度を取るわりに、ただのチンピラ臭い好色な警備員に捕まったりと、主役二人がさっぱりパリっとしない。

ラングレンもこんなチンピラに手を焼いたりと、二人とも鳴り物入りのプロフェッショナルみたいな設定なのに、あまりに大したことがない。

結局映画は、薄汚いビルの裏側をラングレンとジーナが延々イジイジ過去を振り返りながらウロチョロし、ただのどすけべチンピラ警備員如きに手を焼く場面がアクションシーンとして延々描かれた挙句、終盤に正体が発覚したラスボスとの対決は妙にあっさりカタがつき、まあ最後にちょっとしたオチが付いて終わるだけのショボさだったりする。

結局、まどろっこしい設定やお話に、テンポの悪い語り方、主役二人のウダウダ感に、迫力のない悪役と、まるで魅力薄な映画である。

後半、急にラングレンとジーナのラブシーンが挿入されるところも間が悪いというか、何だか唐突で不自然さばかりが目立つ。

いわゆる殺し屋映画としての魅力もかなり薄い。

そんな難点ばかりが目立つ、ラッセル・マルケイらしからぬイマイチすぎる出来の一篇。 2018/08/28(火) 00:04:18 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)
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