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0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『スティーヴ・オースティン ザ・ストレンジャー』




ロバート・リーバーマン『スティーヴ・オースティン ザ・ストレンジャー』、

ある日、シアトルで少女誘拐事件が起こるが、被害者を救出したのは正体不明の男だった。

FBIの調査によって、男は元FBI捜査官のスティーヴ・オースティンだとわかるが、オースティンは任務中の体験から記憶を失い、別の人格を形成していた。

彷徨うばかりのオースティンだが、FBI捜査官のアダム・ビーチは、オースティンの失われた記憶の中に重要な情報があると睨み、オースティンの担当医のエリカ・サラに協力してもらい、オースティンの行方を追うが。





プロレスラーから俳優になったスティーヴ・オースティン主演のアクションOV映画。

格闘アクション場面は、オースティン映画のわりに控え目で、凄惨な過去のトラウマから逃れるため多重人格になった元FBI捜査官役という難役を巡る描写が多い。

しかし、はっきり言って、相当の繊細な演技派俳優だって難しいようなそんな難役を、大根だろうと何だろうと、プロレスの大スターだったカリスマ性と存在感で何とか主役を張ってきたようなオースティンに繊細に演じられるわけがなく、ここでは、「ただひたすら過去のことを忘れまくってるくせに妙に堂々としている大男」としか言いようのない、漠然とした芝居をしている。

もうちょっとトラウマ・フラッシュバックの描写がうまければ、それでも何とかなったかもしれないが、ひたすらワンパターンの芸のないフラッシュバック描写で、それに対する苦悩その他の描写も薄い上に、多重人格者としてのオースティンの芝居もロクになく、故に終始メリハリを欠いた退屈さで展開していく。

何とかオースティンの主治医のエリカ・サラの派手な超美貌と存在感にメリハリがあるので、エリカを見ていてオースティンの症状が把握出来るようになっているが、エリカは別に相手役というわけでもない。

それでも終盤のどんでん返しに至るまで、何とか誰が悪い奴なのかわからない疑心暗鬼サスペンスとしてそれなりに展開して行くので、それほど脚本は破綻したものではないのだろう。

オースティンは、たとえば『スティーヴ・オースティン ザ・ダメージ』のように、気持ちで何とかしようとする男気溢れる役どころは寧ろうまいくらいだが、こういう役どころはやはり似合わないし、まるでうまくない。

物凄くつまらないわけでもないが、やはりオースティンに役どころが合っていないことが最後まで大きなネックになってしまっている一篇。 2019/02/26(火) 00:06:30 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)
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