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0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『悲しきヒットマン 蒼き狼』

横井健司『悲しきヒットマン 蒼き狼』、

龍神会の組員・野村祐人は、好きな女・嘉門洋子を山東会若頭・小沢仁志から救うため山東会へ一人で殴り込む。

あわや抗争という事態となるが、龍神会組長の千葉真一が山東会と話し、手打ちにしたため事は収まり、野村は嘉門と結ばれる。

だがその後、千葉に呼び出された野村はヒットマンをやるように命じられる。

やっと嘉門との幸せな日々を手に入れたばかりだったので野村は辛い気持ちになるが。





山之内幸夫の、実話をもとにした原作を映像化した作品。

脚本を俳優であり脚本家でもある水上竜士が書いている。

野村祐人のチンピラが、ヒットマンとなり、嘉門洋子との愛の日々との板挟みになる展開である。

しかし野村はヘタレなチンピラではなく、冒頭から嘉門のために一人殴り込むような奴だから、ヒットマンに抜擢されたのも、その度胸というか、訳の分からない天然の瞬発力を買われてという感じがする。

どこか危なっかしいが、妙に人に好かれ、純なところのある天然なクソ度胸の不思議な個性のチンピラ役を、野村祐人がかなり癖のある演技で好演しており、それがやはり一番際立っている。

野村祐人は、その昔廣木隆一の「800 TWO LAP RUNNERS」で実に見事な好演を見せ、かなり期待していた名優だが、一時期は竹内力の事務所、RIKIプロジェクトに所属し、よくVシネマに出ていた。

これはその頃のVシネだが、その後は俳優と共にハリウッド映画を含むプロデューサーなどもして、アメリカ在住らしいが、まあお母さんが奈良橋陽子だし、そういうワールドワイドな活躍が似合う人だとは思う。

脇で金山一彦が野村の良き相棒役を好演している。

千葉真一も貫禄があっていい。

スタイリッシュな映像に人間味と哀愁が入り混じったテイストで、野村祐人の好演が光る、中々味がある一篇。 2019/09/28(土) 00:06:45 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)
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