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0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『制覇7』




港雄二『制覇7』、

難波組新道会若頭の小沢仁志は、勇進会々長の松田優の裏切りを自白させる。

その代償として、松田は浜松の一家吸収を難波組若頭下元史朗から命じられる。

松田は一人で浜松に乗り込むが、浜松の天竜一家総長・高岡健二には相手にされなかった。

だが、天竜一家の組員たちは松田が喧嘩をしに来たと思って、松田を襲撃し誘拐する。

難波組は一家総出で、天竜一家壊滅に乗り出すが、若頭補佐新道会々長の白竜は、小沢を浜松へ向かわせる。

天竜一家と松田の手打ちか戦争かの二択状況になるが、松田は自らの意志を貫く。




シリーズ七作目。

前作で川原英之のシャブ中ヤクザを処分したことにして、実は逃していたことが小沢仁志に発覚し、松田がその責任を取らされることになるところからお話が始まる。

途中までは、任侠道に憧れてヤクザになったのに、現実のヤクザは最も男らしくない
生き方だと悟り、絶望してしまった松田の心境がメインで描かれていく。

浜松の一家総長高岡のところへ行くも、相手にされなかったことから松田は黙って地元に帰るつもりだったのに、浜松一家のチンピラが松田を襲った事から抗争に発展していく展開である。

しかし話を収めようと白竜と小沢が動いたにも関わらず、ヤクザの打算的な生き方にかねてから嫌気がさし、せめて任侠道を生きる武士として死にたいと思っていた松田は、高岡を刺し、自らも弾かれて死ぬ。

その後は病院で瀕死の高岡を松田の子分が殺すも、高岡の子分はその報復として、女装して大組織難波組のトップの樋口隆則を襲撃。

ついに小沢をメインとした難波組が攻撃に出て、浜松天竜一家壊滅となる。

前半から天竜一家の問題児にしてバーをやっている倖田李梨のヒモであるチンピラが随所に描かれているが、それはこのチンピラが難波組トップを襲うまでのサイドストーリーとして描かれているのだろう。

珍しく、いつもはエンドロールで流れるのみのAZUMIが歌う「播州平野に黄砂が降る」が、このチンピラが倖田に女装の手助けをしてもらう場面でも趣深く使われている。

ラストは白竜が、大組織の統制の緩みを対立している若頭の下元史朗らにハッパをかけて終わって行く。

展開もフレキシブルだし、白髭生やした高岡健二も松田優も中々味のある好演を見せている。

また主役というより、事態や物語のまとめ役のような白竜や小沢仁志も貫禄の存在感を見せている。

集団抗争劇の中に、様々な人間関係や、それぞれの思いがあることをわりと丁寧に描いているところが秀逸。

そんな悪くない佳作な一篇。 2019/11/02(土) 15:00:43 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

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